再婚の決め手を聞かれたら、私は少し困ります。
優しいところ。大切にしてくれるところ。一緒にいて気を使わないところ。
どれも本当です。でも、いちばんしっくりくる答えは、
「放っておけなかった」
……婚活ブログなのに、この答えでいいんでしょうか。
運命の人と出会って、大恋愛の末に結婚。そんな話ではありません。そもそも私は、夫のプロフィールを見て、一度候補から外しています。
人生、わからないものです。候補から外した人と、今は双子を育てています。
ASHITA HARU
離婚・婚活・不妊治療をこえて、41歳で双子の母になりました

再婚の決め手を聞かれたら、私は少し困ります。
優しいところ。大切にしてくれるところ。一緒にいて気を使わないところ。
どれも本当です。でも、いちばんしっくりくる答えは、
「放っておけなかった」
……婚活ブログなのに、この答えでいいんでしょうか。
運命の人と出会って、大恋愛の末に結婚。そんな話ではありません。そもそも私は、夫のプロフィールを見て、一度候補から外しています。
人生、わからないものです。候補から外した人と、今は双子を育てています。
夫とは、マッチングアプリで出会いました。
写真の中で、屈託なく笑っている人でした。人がよさそうだな、と目に留まったんです。
ところが、プロフィールを読むと、条件も趣味も好みも、正直あまり合わない。
うーん、違うかな。
そう思って候補から外したのに、なぜか気になる。顔がタイプというわけでもないのに、どうにも気になる。
自分で外しておいて、自分で気にしている。忙しい。
理由がわからないまま考えていても仕方がないので、一度会ってみることにしました。
待ち合わせ場所に来たのは、背が高くて、メガネをかけた男性でした。
ジャケットを着ていて、その下は……ハーフパンツ?
正直に言います。服装も好みではありませんでした。
年齢も、まあ、おじさんです。私もおばさんなので、ここはお互いさま。こちらだけ棚に上がるわけにはいきません。
初対面から、いきなりディナー。
やっぱり違うと思ったら、これっきりにしよう。それくらいの気持ちで、ちょっとおしゃれな洋食のお店に入りました。
女性のお客さんが多い店内で、夫はよく食べ、よくしゃべる。声も大きい。
そしてそしてめちゃくちゃ訛ってる!!
写真から受け取った情報、だいぶ足りていませんでした。
もう、ツッコミどころが満載です。
だけど。
気負わなくていい。
言いたいことが言える。
なんだか、全然平気。
好みとは違う。けれど、一緒にいて無理をしなくていい。
会ってみて初めてわかったのは、そんなことでした。
その日から、夫はまめに連絡をくれるようになりました。
少しズレていて、不器用な内容の連絡を。
人がよくて、一途で、ちょっと変わったおじさん。そんな夫と、3回目のデートで付き合い始めました。
付き合うときには、結婚を前提にすることも、子どもが欲しいことも、具体的に話しています。
もちろん、付き合ってみてダメだったら別れることも考えていました。結婚前提だからといって、何が何でも結婚するつもりではありませんでした。
でも、付き合ってからも、夫の一生懸命さは変わりませんでした。
毎日まめに連絡をくれる。会うときは、必ずこちらまで来てくれる。
片道、約2時間です。
往復で4時間。書くと短いですが、移動する本人にとっては、なかなかの時間です。
その距離を、いつも会いに来てくれました。
付き合っている間、私はずっと、自分を第一優先にしてくれていると感じていました。
不器用でも、大切にしてくれていることは伝わるんですね。
とにかく、一生懸命な人でした。
結婚の一番の決め手は、たぶん、一緒にお酒を飲んでいたときのことです。
仕事のことで落ち込んでいた夫が、ぽつりと言いました。
「どうせ俺は幸せになれないのかも」
それを聞いた私は、なぜか思ったんです。
そんなことない。
「私が幸せにしてあげる」なんて言うと、ずいぶん上からで偉そうですが。
でも、少なくとも、不幸なわけないと思った。
毎日連絡をくれて、2時間かけて会いに来てくれる。私のことを、こんなに一生懸命に大切にしてくれる人です。
その人の「幸せになれないのかも」に、なぜか私は、そんなことないと思えたんです。
ちなみに本人は、この発言を覚えていないそうです。
こちらは結婚の決め手にまでなっているのに。
夫婦の大事な思い出、私ひとりで保管しています。
私たちは、付き合って11か月後に結婚しました。
もしプロフィールの条件だけで決めていたら、夫とは会っていません。
ドキドキするかどうかだけで考えていても、結婚にはたどり着かなかったかもしれません。
でも、私は夫の前で、言いたいことが言えました。そして夫は、毎日の連絡や、会いに来る行動で、大切にしてくれました。
好みの条件とは違っても、一緒にいる自分は無理をしていない。
私にとっては、そのことが大きかったのだと思います。
結婚してからも、夫はあまり変わっていません。
喧嘩もたくさんします。大切にされていることと、腹が立つことは、どうやら両立するようです。
それでも夫は、双子と私のために、苦手なことにも挑戦しています。仕事も頑張っています。
毎日、双子をお風呂に入れるのは夫の担当。赤ちゃんの洗い方に苦戦しながら、頑張ってくれています。
ジャケットにハーフパンツで現れたあの人が、今は赤ちゃんの洗い方に奮闘している。
初めて会った日の私に教えたら、かなり驚くと思います。
そして、子どもをあやしているときの夫は、とても幸せそうな顔で笑います。
「どうせ俺は幸せになれないのかも」
そう言っていたことを、本人は覚えていません。
でも、私は覚えています。
双子をあやすその笑顔を見るたびに、心の中で思うんです。
ほら、そんなことなかったでしょう。
haru
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